平賀源内（ひらがげんない）は、江戸時代中期の蘭学者、本草学者、発明家、戯作者、俳人、画家など、多才な人物です。
源内は、1728年に香川県志度で生まれました。幼い頃から学問に優れ、18歳で高松藩の御蔵番になりました。しかし、源内は学問への情熱を抑えきれず、19歳で高松藩を脱藩しました。その後、江戸で蘭学や本草学を学び、多くの発明や著作を残しました。
源内の代表的な発明には、エレキテル、火浣布、万歩計、磁針器などがあります。また、源内は、本草綱目、西鶴小説全集、源内筆記などの著作を残しました。
源内は、その多才な才能と自由奔放な性格から、当時の幕府から弾圧を受けることも多かったですが、それでもなお、多くの発明や著作を残し、日本文化に大きな影響を与えました。
源内の生涯と業績は、多くの小説や映画の題材にもなっています。
源内が生み出した作品の5つを挙げます。
１．本草綱目啓蒙
『本草綱目啓蒙』は、平賀源内（1728-1780）が著した本草書です。1763年に出版され、江戸時代のベストセラーとなりました。
『本草綱目啓蒙』は、中国の李時珍（1518-1593）による『本草綱目』を基に、日本固有の植物や薬草を加えた本草書です。源内は、独自の視点や経験をもとに、わかりやすく本草学を解説しています。
『本草綱目啓蒙』は、江戸時代の知識人や医師に広く読まれ、日本の本草学の発展に大きく貢献しました。また、源内の独創的な文体やユーモアあふれる筆致は、現代の読者にも好評です。
『本草綱目啓蒙』は、現在でも多くの書店で入手できます。また、インターネットでも電子書籍版を読むことができます。
２．西鶴小説全集
「西鶴小説全集」は、1725年に出版された江戸時代の小説集です。著者の平賀源内は、当時の科学者や発明家としても知られています。この小説集には、源内の代表作である「好色一代男」、「世間胸算用」、「西鶴一代女」など、100編以上の小説が収録されています。これらの小説は、当時の社会や風俗を生き生きと描いており、江戸時代の文化を知る上で貴重な資料となっています。
「西鶴小説全集」は、江戸時代から現代に至るまで、多くの人々に愛読されてきた作品です。その面白さや魅力は、時代を超えて人々の心を捉え続けています。
「西鶴小説全集」を読むと、当時の社会や風俗を生き生きと知ることができます。また、源内のユーモアや人間観にも触れることができます。この小説集は、江戸時代の文化を知る上で貴重な資料であり、また、現代の私たちにも多くのことを教えてくれます。
もし、江戸時代の文化や源内の小説に興味があるなら、ぜひ「西鶴小説全集」を読んでみてください。
３．源内筆記
源内筆記は、江戸時代の博物学者平賀源内が書いた随筆である。1770年から1776年にかけて書かれ、源内の日常生活や、当時の科学技術、社会問題などについて書かれています。
源内筆記は、源内独特のユーモアと機知に満ちた文体で書かれており、当時の人々の生活を知る貴重な資料となっています。また、源内の自由な発想と好奇心が垣間見える作品であり、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれます。
源内筆記は、日本の随筆史上に残る名作であり、平賀源内の代表作の一つです。
４．黄帝内経素問
「黄帝内経素問」は、中国の古典医学書「黄帝内経」の一部を翻訳した書物です。1765年に出版され、当時の日本の医学界に大きな影響を与えました。
「黄帝内経素問」は、中国の古代、黄帝が岐伯に医学について尋ねた内容をまとめた書物です。全18篇で構成されており、人体の構造や機能、病気の原因と治療法などが詳しく書かれています。
源内は、「黄帝内経素問」を翻訳する際に、当時の日本の医学書の知識を参考にしました。また、自身の経験や実験の結果も参考にして、翻訳をより正確なものにしました。
「黄帝内経素問」の翻訳は、日本の医学界に大きな影響を与えました。当時の日本の医学書は、中国の医学書を翻訳したものが多かったのですが、「黄帝内経素問」の翻訳は、それらとは比べものにならないほど正確でわかりやすかったため、多くの医師や学者から注目されました。
「黄帝内経素問」の翻訳は、源内の医学研究の集大成です。源内は、この翻訳を通じて、中国の医学を日本に広め、日本の医学の発展に大きく貢献しました。
源内の「黄帝内経素問」は、現在でも多くの医師や学者に読まれています。日本の医学の歴史において、重要な書物の一つです。
５．解体新書
解体新書は、平賀源内、杉田玄白、前野良沢、中川淳庵、桂川甫周らによって訳された西洋医学書です。1774年に刊行されました。
解体新書は、当時の日本では初めての西洋医学書であり、日本の医学の発展に大きな影響を与えました。解体新書は、従来の中国医学書が主張していた、体内には気や血が流れているという説を否定し、西洋医学の考え方である、体内には骨や筋肉などの器官が存在するという説を初めて紹介しました。
解体新書は、当時の幕府から発禁処分を受けましたが、それでもなお、多くの人々に読まれ、日本の医学の発展に大きな役割を果たしました。
解体新書は、日本の近代医学の始まりを告げる書物として、現在でも高く評価されています。
番外．エレキテル
エレキテルは、江戸時代の博物学者平賀源内が復元した摩擦起電器のことで、オランダ語のelektriciteitがなまったもの。静電気の発生装置。源内は「ゐれきせゑりていと」と表記している。
源内は、1765年にオランダで発明されたグラバーの静電気発生器を参考に、1771年にエレキテルを完成させた。エレキテルは、ガラスの球を羊毛や絹でこすって静電気を発生させ、その静電気で火花を飛ばしたり、針を浮かしたりすることができる装置である。
エレキテルは、当時としては画期的な発明であり、源内は「エレキテル博士」と呼ばれるようになった。エレキテルは、その後、科学の発展に大きく貢献した。
平賀源内は、その多才な才能と自由奔放な性格から、当時の幕府から弾圧を受けることも多かったですが、それでもなお、多くの発明や著作を残し、日本文化に大きな影響を与えました。
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